村田沙耶香 『しろいろの街の、その骨の体温の』

しろいろの街の、その骨の体温の

村田沙耶香 『しろいろの街の、その骨の体温の』 読了。

クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、ある日、結佳は伊吹にキスをする。恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら彼らは中学生へと進級するが――野間文芸新人賞受賞、少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、静かな衝撃作。

まずわたしはFRaUに謝らねばならん。

最近ね、文芸やサブカル系でない、いわゆるフツーのオサレ女性誌でも
「恋に効くコミック特集!(仮名)」だの
「サブカル女子のための、絶対読むべきマンガ50!(仮名)」だの
そういう特集、増えましたよね。

ウンいいと思うよ別に。それがキッカケになって、普段マンガ読まない女の子が
ONE PIECE以外のマンガも読むようになればいいよね。

しかしなんていうか、そういう記事をパラパラ見てても、どーーしても
「これって編集者だけが楽しいんじゃないの」っていう自己満足な印象がつきまとう。
で、FRaUの9月号を見た時も買おうかどうしようか迷った。

FRaU (フラウ) 2013年 09月号 [雑誌]FRaU (フラウ) 2013年 09月号 [雑誌]
(2013/08/10)
不明

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Twitterで「どーしよっかなー買おうかなー」って呟いてたら
「雲田さんと田中相さんの対談とか、よかったですよ~」って
すかさず秘孔を突くリプライが来るTwitterすばらしいですよね!!!!

それでホイホイと買ったらね、これがすごく良かったのね。
というわけで今月のFRaUは買いです。これ1500円くらいの値打ちあると思う。

で、栄えある第1回フラウ文芸大賞受賞作がこれです。


もう序盤から、アドレナリン出まくり。
読み終わったあとは久々に五体投地ですよ。

これはひれ伏す。

「スクールカースト」って言葉、たぶん2ちゃん発祥だと思うんだけど、
初めて聞いた時はその言語センスに脱帽しましたが、
これはまさにその「スクールカースト」の必然と残酷さが執拗に描かれています。

ほんとにね、読んでる最中ずっとね、
“黒歴史という名の真綿”で首絞められてるみたいだったからね。


昔のことすぎて忘れかけていたような古傷を
つい今しがた転んで出来た傷、くらいの生々しさで復活させてくれやがる。

いじめや、スクールカーストといった“子供社会のギスギス”は
山田詠美や重松清、森絵都・瀬尾まいこ、
最近では辻村深月や湊かなえなどが何度もテーマにしていますが、
本作はとにかく繰り出されるエピソードがいちいち秀逸で
そのたびにいろんなところをザックリザクザクと抉られます。

別に、話しかけようとか告白しようとかしているわけではない。二人とも、ちょっと顔が見られれば満足なのだ。こうしてお喋りしながら好きな人を待つということ自体を楽しんでいるのだった。
(中略)
お手軽に恋に落ちてしまうわりに、それはすぐに宗教になる。
恵ちゃんは、図書室でたまたま中森くんと三冊同じ本を借りていることを図書カードで見つけて、「すっごく嬉しい、運命的な感じがする」とますます夢中になったし、
(中略)
写真をこっそり撮ったり、放課後に教卓の中から好きな人の書いたプリントを探し出して読んだり、ささやかな発情を重ねながら、私たちの恋は膨張していく。

そうそう、十代女子のアレは確かにお手軽にはまる宗教であり、発情であり、
今思い返せば恥ずかしくて到底“恋”などとは呼べないシロモノでありました。

ああああああああああ。

一緒に学級委員をやった小林君のことを思い出して吐血しそう!!!


自分専用のスマホを持ち、メールだの写メだのLINEだのやってる
平成生まれの今の子は知らないでしょう!!!!

南京錠つき交換日記帳とか、そういう今思い出しても
意味不明なアイテムが昭和には!!あったの!!
それでクラスメイトのキヨコちゃんと交換日記してたの!!!
キヨコちゃんも小林君が好きだったのですが、なのになぜ
好きな男子(小林君)のことばかり交互に書きまくる交換日記が
ライバル同士であるはずの女子2人の間で成立したのか、
今となってはもう何もかも意味がわかりません。



なんかもう収集つかなくなってどうしよう、
あの、とにかくこれは五体投地本です。おすすめです。
特にアラサー世代から上の女性の方はどストライクのはず。
そういう意味でFRaUは読者の好きなもの、良く知ってるしすごい。えらい。
最初ばかにしててごめんね、
フラウ文芸大賞、毎年と言わず年2回くらいやってくれてよくってよ。



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