大地のゲーム


私たちは、世界の割れる音を聞いてしまった―。21世紀終盤。巨大地震に見舞われた首都で、第二の激震に身構えつつ大学構内に暮らす学生たちと、その期待を一身に集める“リーダー”。限界状況を生き抜こうとする若者の脆さ、逞しさを描く最新長篇!


綿矢りさ『大地のゲーム』読了。
地震がテーマでこの挑発的なタイトル、さぞかし覚悟があるんですね、と思って
読んでみたら、やや肩すかし・・・?

別に震災がテーマだからといってスケールがでかい話じゃないといけないって
わけじゃないですが。
わたしにはリーダーが何を目指してたのかもよくわからず、結局全ての揉め事は
痴情のもつれですってこと・・・・・??
大学構内という狭い世界で若者が暮らしてれば当然起こりうることなので
リアルっちゃリアルだったが。

<ネタバレ>主人公が、第二の巨大地震の警報後にシェルターに逃げず、
とっさにマリを殺しに行った展開はとてもよかったです。


 夏休みの前の地震で一つ学んだことがある。もしかしたら私はその学びを生かし、実践するために、新しい災害が起こるのを心のどこかで、ずっと待ち望んでいたのかもしれない。
 人がたくさん死ぬときに殺せ。 (p133)


<ネタバレおわり>



わたしとしては『憤死』みたいな、精神的キャットファイトがもっと読みたい。


憤死
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綿矢 りさ
河出書房新社
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別荘 (ロス・クラシコス)


ガルシア=マルケスと並ぶ「ラテンアメリカ文学ブーム」の立役者、
チリの巨匠の代表作、待望の邦訳!!

1973 年チリ・クーデタに触発されたドノソが、類い希なる想像力を駆使し、偏執的とさえいえる緻密な構成で書き上げた、理屈抜きに面白い傑作。
後続する作家や世界の批評家たちを今なお魅了しつづける、ラテンアメリカ文学の金字塔。

とある小国の政治・経済を牛耳るベントゥーラ一族の人びとが毎夏を過ごす、異常な繁殖力をもつ植物グラミネアと、「人食い」原住民の集落に囲まれた別荘。 ある日、大人たちが全員ピクニックに出かけ、別荘には33人のいとこたちだけが取り残された。日常の秩序が失われた小世界で、子どもたちの企みと別荘をめぐる一族の暗い歴史が交錯し、やがて常軌を逸した出来事が巻きおこる……。「悪夢」の作家ホセ・ドノソの、『夜のみだらな鳥』と並ぶ代表作にして、二転、三転する狂気をはらんだ世界が読む者を眩惑する怪作。


はい。ドノソです。
『夜のみだらな鳥』だけでお腹いっぱい。他の作品は未読です。
そのドノソの翻訳新作です。あらすじだけで正気じゃない。


読み終わった瞬間の正直な感想。




( ˘ω˘ ).。oO(これで安らかに眠れる・・・・)



数日間読み続けていて睡眠不足の上に、
寝る前に読んでたせいか寝つきは悪いし(覚えてないけど)嫌な感じの夢は見るしで、
寝ても覚めても精神が不安定になってたんだよね。

『夜のみだらな鳥』よりかは読み易かったけど、
33人(35人)の子供たちも、冗談みたいに無能な大人たちもイカれすぎだし
SFでもないのに作中時間が伸び縮みする
読んでるうちに小説の中の狂気が現実を侵食してくる恐怖感があって
だんだんと精神の均衡が取れなくなってくるっていう・・・。

マジックリアリズムの翻訳の難しさは相当な苦労があると思うが、
「人食い人種への秘教的怒りに我を失った使用人部隊は」(第九章)みたいな、
いまいちピンとこない訳語もあった。秘教的・・・・?

個人的に、引っこ抜いた槍を美しい従妹のメラニアの分身として愛でる
マウロくんがキング・オブ・変態でした。
レシピを完成させたいからと人肉食を懇願してくるコックも相当だけど。

いやー、すごかった。これぞドノソ。
オススメはしないけど、一生に一度は読んでみてもいいんじゃないだろうか。


わたしは向こう3年くらいはドノソいいです・・・_:(´ཀ`」 ∠):_







プリティ・モンスターズ


少女たちの奇妙な友情を綴ったローカス賞受賞の表題作。哀しくも明るい破滅の風景を描く「サーファー」。傑作ファンタジイ「パーフィルの魔法使い」。現代アメリカ女性文学の新しい潮流を代表する作家リンクの最新作品集。全10篇収録。 


ケリー・リンク『プリティ・モンスターズ』読了。
(原題:PRETTY MONSTERS   柴田元幸訳)



大人にこそ、お伽話が必要な時がある。

箒で空は飛べない。
夜空から星を取ることは出来ない。
雲は食べられないし花は歌わない。

無限にお粥が出てくる鍋はないから働いてお金を稼がなくては生きていけない。
王子様を待っていても迎えには来ないから、美容院に行き化粧をしワンピースを着て
王子様を捕獲しに行かなくてはいけない。
悪い魔法使いは現代にもたまに生息しているが、だいたい勝ち目はない。


待っていてもハッピーエンドは勝手には来ないから、自分で現実と闘うしかない。


逃避や拒絶は案外体力が要る。
ただやわらかい夢に浸っていたい時もある。


ケリー・リンクのお伽話は、あんまり夢を見させてくれない。
ぜんぜんロマンチックじゃない。
出会うのはお姫様でも妖精でもなくてゾンビだし。
戦争が起こっているのに魔法使いたちは塔にこもったままの役立たずだし。
命を助けてくれた男の子に運命を感じても、相手はまったく振り向いてくれないし。


ぜんぜんロマンチックじゃない。うまくいかない。ハッピーエンドはどこ行った。


なのに、なんだろうこの心地よさは。
ずっとこの世界で生きていたい。 本を閉じたくない。
何が起こるのかわからない、こんなに完全なる自由さを知ってしまっては。




私は自分の人生がケリー・リンクの小説であってほしい。
(シャーロット・ブーレイ)  ――――訳者あとがき









毎年恒例、俺マンに投票するのに選出したマイベストコミック。
2012年分は10冊に絞り切れず12冊、2013年は15冊選びました。
今年は開き直って20冊です。amazonリンクは現時点での最新刊。

(過去分⇒ 2012マイベスト  2013マイベスト


★2014年1月~12月に読んだコミック440冊(多分)
★マイルールとして、『3月のライオン』『乙嫁語り』『大奥』は選考外
 (わたしの中の漫画殿堂入りしてるので。毎年ベストに入っちゃうし・・)
 


ハイキュー!! 14 (ジャンプコミックス)
古舘 春一
集英社 (2014-12-27)


今年は第三体育館組に振り回された一年じゃった・・・( ´ー`)
動くリエーフと赤葦くんとやっちゃんを見るまでは死ねない。
アニキュー二期早く!!(( 'ω' 三 'ω' ))



累(4) (イブニングKC)
  累(4) (イブニングKC)
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松浦 だるま
講談社 (2014-10-23)


面白すぎて腹が立つほど。
この、美醜に向き合う徹底的な執念、山岸涼子イズムを感じる。
松浦先生、作品とTwitterでのギャップがすごい。小説版は未読。



右足と左足のあいだ (Feelコミックス)
雁 須磨子
祥伝社 (2014-06-07)


女性なら必ず膝を打つはず。この温度差!
細かすぎて伝わらないカチンとくるそのポイント!
なぜこの機微がマンガで表現できるのか!!天才か。
「虚無を飼ってる」って言語センスに震える。





前作『いづれの御時にか』(新書館)からこの方のファンです。
よくぞ!このひとを!連れてきてくれた!でかした秋田!(上から)
(なぜプリンセスでなくボニータだったのか疑問だが)
自分の足で踏ん張って歩こうとするアンの奮闘ぶりが愛おしい。
 


宝石の国(3) (アフタヌーンKC)
市川 春子
講談社 (2014-08-22)


読めばわかる、としか言いようがない・・・・。(※わかる人には)
3巻読むと、1巻はまだまだジャブだったんだなあ・・・と遠い目になる。
毎回、うつくしい鈍器で殴られたような恍惚感。もっと!殴られたい!!





これもっと話題になっていいと思うんだよね。
もっと売れていいと思うん  だ  よ  ね  !!
生きるのが下手なひとたちばかりでハラハラするやら愛しいやら。




ちひろさん 2 (A.L.C.DX)
ちひろさん 2 (A.L.C.DX)
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安田 弘之
秋田書店 (2014-09-16)


『寿司ガール』も大好きだったんだけど、あれはちょっと世知辛すぎて
読んだ後に打ちのめされる感じがあって。(そこもいいんだけど)
ちひろさんはグっと腹に力が入るような余韻があって好き。



ひるなかの流星 11 (マーガレットコミックス)
やまもり 三香
集英社 (2014-10-24)


ここ数年の、マーガレット・別マの快進撃の申し子というか象徴というか。
古典をキッチリ踏襲して進化したネオ少女漫画。すごい。
マンガはよく読むけど、バリバリの少女漫画はちょっと......みたいな人にこそ
読んで欲しい~。あと渡辺カナさんね!(毎年言う)
わたしはツルちゃんと犬飼くんのカップルがとても好きです。



ドリフターズ  第4巻 (ヤングキング・コミックス)
平野 耕太
少年画報社 (2014-10-27)


「おなかがすいた」
「ローマを焼こう」

全力で空気読まない殺戮マッスィーン豊久かわいすぎか。
信長さん楽しそうで何よりですわあ( ´ー`)




夢喰い王子の憂鬱(2) (F COMICS)
阿仁谷 ユイジ
太田出版


これ好きすぎた。1巻の、オムニバス部分をもっともっと読みたかったな。
重すぎる夢を背負って生きていく女たち。
でも王子様は救ってくれないのよね。



死にたがりと雲雀(2) (KCx(ARIA))
山中 ヒコ
講談社 (2014-12-05)


「献身」を愛だと思っている子供と、生への執着を捨てた浪人。
まあ暗い暗い言われてますけど、わたしはヒコさんの描く
“しあわせの輪郭を探す旅”みたいなお話がたまらく好き。



娘の家出 1 (ヤングジャンプコミックス)
志村 貴子
集英社 (2014-05-09)


2012年のガールズジャンプから2年待ってやっとコミックスが(´;∀;`)
いやー待った甲斐があった。すばらしい。
LGBTをずっと描き続けてここに到達した、ってかんじ。
フィクションだから無責任に言えるけどみんなしあわせになってほしいよ。



水の箱庭 1 (芳文社コミックス)
安堂維子里
芳文社 (2014-07-08)


新刊案内の書影を見て、あれっずいぶん絵柄を変えてきたなとビックリ。
以前のはかなげな線もとても好きだったけど、ああいう作風はやっぱり
不利なのかな(セールス的な意味で)。
かなり意識して(努力して)作風を変えた、という印象を受けた。
お仕事マンガとしても面白いし、お兄ちゃんの行方も気になる。
クリオネが冷蔵庫で飼えるのは初めて知りました。



ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録(1) (ガンガンコミックスONLINE)
鎌谷悠希
スクウェア・エニックス (2014-07-23)


『少年ノート』の完結の余韻に浸ってたらすごいの来たよww
四天王の起動シーンが熱すぎて読みながらリアルに「うおおお」って声でたw



あさめしまえ(3) (KCデラックス BE LOVE)
北 駒生
講談社 (2014-12-12)


売れてる食マンガが山ほどある中、人間ドラマをここまでシビアにリアルに
描いているっていう点で、これは別格だったと思う。
マンガだけどそこはごまかしたくない、みたいなこだわりを感じる。
2巻、高校生男子の「今日だけやさしくされたって 朝は毎日つづくから」
という台詞にガツーンと殴られた。



コンプレックス・エイジ(2) (モーニング KC)
佐久間 結衣
講談社 (2014-11-21)


“年齢によるリミットがある趣味”について。
コスプレを経験したことはなくても、加齢についての普遍的な苦悩が
根底にあるので身につまされるっていうか。この先も楽しみにしてます。





すばらしかった。枠線が額縁のようなデザインで、1ページ1ページが絵画のよう。
古い上質な洋画を見ているような気にさせられる。
神に守られた館で暮らす美しくも不穏な女たち。
ラストね、これは100%もう好みの問題なんだけど、個人的には
<ネタバレ反転>神も男も棄ててしまっても</ネタバレ反転>よかったと思うな。



グッドナイト 1 (Feelコミックス FC SWING)
南 Q太
祥伝社 (2014-10-08)


辛かった。読み返すことが出来ない。
『ぼくの家族』『ピンクペッパー』 で“家族”を描いてきた南さんが
今どんな気持ちでこのテーマを選んだのか、どんな覚悟で描いているのか、
を想像すると本当につらい。





ひと月に1度くらい「2巻はまだか」とつぶやき続け、ジャンプ改休刊に
この世の終わりみたいなショックを受け、ようやく手にした2巻!!(。´Д⊂)
愛ちゃんが一歩踏み出しました。さあここからだ!



9時にはおうちに帰りたい(1) (KCデラックス Kiss)
青色 イリコ
講談社 (2014-08-12)


アラサーちゃん、江古田ちゃん、独身OL....と、アラサー女子の辛辣ギャグ
みたいなのはここずっと流行りですけど(全部好きで読んでますけど)
なんかこれ一番笑った。あるあるネタのすくいあげ方が上手すぎる。
ツボにはいって1週間くらい思い出し笑いしてたネタとかあるww





その他、こまごましたこと。

・完結作品では、『オハナホロホロ』『少年ノート』が感無量だった。 

・『シャーリー』2巻、『MASTERキートン Reマスター』どちらもさすがというか。
 おもしろかったです。ベテランの存在感と貫禄。
 MASTERキートンなんか、新刊書店に普通に並んでること自体が感動だもの。

・今年、とくに先が楽しみなのは
『海のクレイドル』『現代魔女図鑑』『リリックメード』『応天の門』
『僕のヒーローアカデミア』『きぐるみ防衛隊』『孤食ロボット』
『きみが心に棲みついたS』『魔法使いの嫁』『海月と私』あたりかな~。

・短編集(単刊)では『逃げても逃げても』『小僧の寿し』
『いちばんいいスカート』『くうねるところにたべるとこ』 がとてもよかったです。
わたしあんまりコミック読み込むタイプじゃないんだけど、この4冊は
寝る前とかにけっこうパラパラ読み返してた。(ので今もベッドサイドにある)


今年はおそらく読む量がガクッと減っちゃうかな。
本も読みたいし、時間は有限。
ネットの情報だけが頼りですのでみなさん「これは!」と思ったらしつこいほど
呟いてくださいお願いします((-ω-('ω'〃) ペコペコ
どうか今年も、すてきな出会いがありますように。 





夜は終わらない


婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。千住警察署で悲しみにくれる彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常なのである。そんな玲緒奈には不思議な癖があるのだった。
「生きてる意味があることを証明しないと。ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」
あの世に送る前、男に語らせるのだ。それは、生い立ちでも、創作した話でも構わない。面白いかどうか、で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話を続ける男たち。鬼気迫るストーリーが展開され、物語のなかの登場人物がまた別の話を語り始めたり、時空を超えた設定のなかにリアルなものが紛れ込んだり……全体の物語のなかにさまざまな短篇が入りくみ、海へと流れる大河として眺望できる大傑作。


星野智幸 『夜は終わらない』読了。

ヤバかった。
深夜に読んでると、本当にこのまま夜が明けないんじゃないかという気がした。

そういう魔力を持つ本だ。

ちょうど年越し前後の、一歩も外へ出ず本を読みまくり、
お腹が空いたら好きなものを食べ、眠くなったら寝る、という怠惰の極みみたいな
生活をしていた時に読んでいたので、地に足ついてない感というか、
現実から乖離して物語にずっぽりハマれたのもよかったな~。

あらすじの通り、最初は男を騙して金を巻き上げては殺害する玲緒奈という女が主役の
クライムミステリかサスペンスのようなテンションなんだけど、
玲緒奈に殺されるのを待つ男が語り出す物語が夜毎にどんどん拡散していき、
だんだんと千夜一夜の様相を呈してくる。

幾重にも重なったお伽話は登場人物がかぶったり前後がリンクしたりで、
もう洪水のように物語があふれてきてそれに翻弄されるばかり。
物語の魔力に囚われる心地よさよ。
日常からフライアウェイしたい時に最適。






ハケンアニメ!


監督が消えた! ?
伝説の天才アニメ監督・王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。
プロデューサーの有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。
同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と次々にヒットを飛ばすプロデューサー・行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。
ハケンをとるのは、はたしてどっち?
そこに絡むのはネットで話題のアニメーター・並澤和奈、聖地巡礼で観光の活性化を期待する公務員・宗森周平……。ふたつの番組を巡り、誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び新たな事件を起こす!
熱血お仕事小説。


秋アニメの「SHIROBAKO」がめちゃくちゃ面白くて、毎週楽しみにしてます(*⁰▿⁰*)
1クール・12話のアニメーション作品にどれだけたくさんの人が関わってるか、
視聴者が見逃してしまうようなほんの一瞬のコマに、どれだけの情熱が傾けられてるのか、
制作のスケジュールがどれだけシビアか。

そういうリアルな現場事情を思い知らされるエピソードがいっぱいで、
楽しいだけじゃない、“仕事としてのアニメ”に関わる人たちが生き生きと描かれてる。

で、この『ハケンアニメ!』、SHIROBAKOが面白いって人にはドンピシャ。
アニメ制作に関わる女性たちが主人公という点もSHIROBAKOと同じだし。

プロデューサーの香屋子が主人公である第一章の冒頭で、
アニメが好きだからアニメ業界に入った香屋子が、憧れの王子監督(の作品)について
思いを馳せる、物語の掴みの描写がすごくいい。


 気持ちが十分に言語化できない、影響を受けやすい時期に問答無用に観たもの、読んだもの、聴いたものとの巡り会いは一生の財産で、その貯蓄をもとに、香屋子はこれまで仕事をしてきた。好きなものに詳しくなることで、感動は言語化できる頭でっかちなものになり、無条件に“いい”と思えることは減った。
 香屋子はもう子供ではなく、わからないからこそ神秘的で魅力的だった世界の輪郭を獲得してしまった。専門用語に通じ、技術にさえ詳しくなってしまった以上、それは仕事だから当然だ。 誰かのファンになったとしても、それは仕事相手への「尊敬」だという側面が強い。
 再び、誰かのものに、こんなに恋い焦がれるように「憧れ」るなんて。
 『ヨスガ』を観ながら、おもしろい、と思っていることに、後から気づいた。感情に名前が追いつかなかった。 (p8)


アニメなり小説なり映画なり音楽なり、たくさん読んだり見たりして吸収する人ほど、
この気持ちは痛いほどわかると思う。わかるよね。
「おもしろい」「好きだ」というわくわく感が、大人になるにつれ摩耗していく寂しさと
それを吹っ飛ばす新しさを持つ作品に会えた時の感動と興奮。

で、その香屋子の憧れの監督・王子千晴の強烈なキャラがまたよくて、
新作アニメの制作発表のトークショーのシーンの彼の台詞がもう最高だった。
世間一般に浸透した“オタク” というワードについて(もしくはその言葉の扱われ方について)
苛立ちや怒りを感じたことがある人には、もう快哉を叫びたくなる台詞がね、あるんですよ。


あちこちに散りばめられた胸を打つ台詞やシーンが引き金になって、
夕方のアニメの再放送シーンを見るために学校から走って帰った子供時代とか、
好きで好きで仕方のなかった漫画の世界観によく似た小説を書いたりだとか、
母親と一緒に夕飯食べながら見てた「ふしぎの海のナディア」の衝撃だとか、
そういう思い出がぶわわー!!ってきて、 懐かしさで泣きそうになった。


(ナディア15話の「ノーチラス最大の危機」、まあ超絶有名な回ですが
あれを観たとき母もわたしも言葉を失って呆然としていたのよく覚えてる)


すごく、すごくよかった。無条件に面白かった。
アニメ見ない人が読んでももちろん面白いけど、アニメ好きでよく見てる大人にとっては
つい自分の身に置き換えちゃうから、格別の面白さが味わえると思う。

作中に出てくるアニメ、「運命戦線リデルライト」と「サウンドバック 奏の石」、
めちゃくちゃ観たいよ!辻村さんの原案で、実現しないもんだろか。





二つ、三ついいわすれたこと (STAMP BOOKS)


元子役という華やかなキャリアをもち、小生意気で目を離せない魅力のあった友人ティンクが、謎の死をとげた。仲良くしていたメリッサやナディアはなかなか立ち直れず、それぞれが学校や家庭で抱える生きづらさにも向き合っていくことになる…。静かな希望と余韻の残る物語。

ジョイス・キャロル・オーツ 『二つ、三ついいわすれたこと』読了。
(原題:Two or Three Things I forgot to Tell You  神戸万知訳)


んーふーオーツやっぱり好きだ。
『生ける屍』を読んだ時、変態サイコ殺人狂の心理描写がすごくて
いつのまにか犯人に寄り添うみたいな気分になっててびびったんだけど、
これを読んでる時も、自分が十代の頃に戻ったような気がした。



生ける屍 (扶桑社ミステリー)
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 生まれてからずっとといっていいくらい、ほとんど毎日会っていた友だちと会わなくなるのは、呼吸しないことと似ている。
 ただし、呼吸はしないと生きていけない。でも、友だちなしでも生きていける。 (p89-90)


この、柔らかさと冷たさが混じったような“喪失”の表現が好きだ。
訳者の方のセンスによるところが大きいのかなー。

一昔前の翻訳読んでると、特に子供とか年配者とかの会話部分が
役割語が強調されすぎてめちゃくちゃ不自然な訳になってることが時々あるんだけど、
これはすごくナチュラルなのにイマドキ感があってリアルだった。

『生ける屍』みたいに切り落としたり眼球からアイスピックを、みたいな描写はないんで
スプラッタが苦手な方でも安心してお読みいただけますぞ(o´ω`o)




なんたってドーナツ: 美味しくて不思議な41の話 (ちくま文庫)

ハチミツを思わせるキツネ色に粉砂糖の白、匂い、サクサクとした歯触り、丸い形、ふくらみ、真ん中の穴、言葉の響き、ドーナツは幸せを運んできます。材料 が乏しかった時代の手作りおやつ、朝食用のドーナツが段ボールでロビーに置かれるホテル、小さな教会の日曜学校が出合った初めて目にするお菓子、哲学的思 考を呼び覚ます穴の存在―、多くのドーナツ好きが文章を寄せてくれました。 


ドーナツを用意して読んだほうがいいですよ。
必ずドーナツを用意して読んだほうがいいですよ。
危うく三が日の午前4時からドーナツ揚げそうになりましたからね。
してませんよ。してません。ウチには揚げ物が出来る量の油を常備してないし。

エアドーナツで乗り切った(( 'ω' 三 'ω' ))

やっぱり昭和生まれは母親(もしくは祖母)のドーナツの記憶があるもんなんですね。
うちの母親も揚げてくれてましたが、いまいち記憶が曖昧。
穴あきのスタンダードなドーナツだったんだけど、型抜きをした覚えがないから
手で紐状にしたやつを輪っかにして揚げるタイプだったのかな。

どっちかっていうと、ドーナツより食パンの耳を揚げて砂糖をまぶしたやつのほうが
よく覚えてるから、頻繁に出てたのかも。
今考えると恐ろしいものを食べてたよね。炭水化物を油で揚げた上に砂糖!!
(((( º言º; ))))



ミスドならチョコファッション派。冷蔵庫で冷やして食べるのが好き。
一年に1回食べるかどうかだけど、エンゼルクリームはたまに食べるとうんまいよね~。

ところで、わたしが子供の頃死ぬほど好きだったミスドのメニューに
「スノーボール」ってやつがあって、誰に聞いても「え・・・そんなのあったっけ」
と怪訝な顔をされて悲しかったんだけど
ここ最近はミスドのサイトに「なつかしのメニュー」が載ってるので
「ほらぁ!これだよ!!!!」とわたしの妄想でなかったことが証明できるようになった。

1988年のとこに載ってます。断じて妄想ではない。
https://www.misterdonut.jp/museum/donut/y1988.html

でも誰も食べたことないって。・゚・(つД`)・゚・。
ボールの外側からちょっとずつ剥がして(折って?)ジャムつけて食べるやつー。
もう一度食べたいんだけどなあ・・・。







台湾ひとり旅ログ・2日目 (その1)
台湾ひとり旅ログ・2日目 (その2)
台湾ひとり旅ログ・2日目 (その3)


龍山寺参拝・占いした後、に西門町へ。
MRTで一駅だけど、地図で見たかんじちょっと距離があったので西門駅まで乗る。



駅前には若者が!いっぱい! 台湾の原宿だか渋谷だか呼ばれてるそうだ。
そこらじゅうにネトゲとアプリゲームのでかい看板が。
ゲームの広告は駅中でもよく見かける。メルクストーリアがやたら多かったような。




















ファッションビルの並びに突如として現れる天后宮(媽祖廟)。ド派手。
さっきお参りしたばっかりなので、ここはスルー(o´∀`o)




















八角形の目立つ建物が西門紅樓。日本統治時代の建物がリニューアルされて
劇場やカフェ、アトリエなどが入った複合施設になってる。



















西門紅樓前の広場には、クリエイターさんのショップがずらっと。






















Tシャツとかポストカードとか、オリジナルイラスト系多し。
アロマランプ?とか手作り石鹸とか。日本のフリマとあまり変わらない。




















西門紅樓のショップでポストカードなどを買う。
古い映画のポスターやポストカードも売ってた。

ファッションビルもちょろっと見たけど、日本のマルイとかOPAと9割同じ。
いわゆる台湾オリジナルブランドとか、シノワズリなデザインのものは
セレクトショップ系とかに行かないと見つけられないみたいだ。

お腹が減ってきたので、晩ごはん食べに行くぞい・:*。・:*三( 'ω')
西門駅に戻った時、20時前くらいだったけど、どんどこ若者が街に出ていく。
まだまだこれから遊ぶんだよーってかんじ。

MRT西門駅から、11月に開通したばかりの松山線で松江南京駅まで。
徒歩で「台南阿輝炒鱔魚」へ!タウナギを!食べるぞ!ヽ('∀')ノ



タウナギは台南まで行かないと食べられないのかと思って調べてたら、
台南のお店が台北に支店を出してるっていうのでここへ。
ここも注文票があったんだけど、写真撮り忘れた(;꒪ꈊ꒪;)




















乾炒鱔魚意麺(タウナギの焼きそば)と
炒青菜(空芯菜の炒めたの )と
虱目魚肚湯(サバヒーのスープ) 全部で380元

タウナギの焼きそばは、かなり甘めのウスターソースってかんじでおいしい。
玉ねぎもサクサクした好みの炒め具合で好き~。
お上品な味ではない。庶民派。

肝心のタウナギは、骨はなくて、鰻みたいにフワフワとした身じゃなくてコリコリした感じ。
けっこう食感がしっかりしてる。淡水魚だけど、臭みは全然ない。

炒青菜は注文票に「高・空・A・地」って書いてあって、高は高麗菜(キャベツ)、
空は空芯菜ってわかったんだけどAと地はなんだ?と思って帰国してから調べたら
AはA菜(長細いレタスっぽい野菜)、地は地瓜葉(サツマイモの葉)のようだ。

青菜炒だけでお腹いっぱいになりそうな量があったんだけど、にんにくが
ぼんぼこ入ってる他は塩だけ?で炒めてあってもりもり食べれる。

サバヒーのスープは一応蓮華がついてたんだけど、ほぼ生姜の味しかしなくて、
スープというより生姜湯で煮たサバヒーってかんじ。
お醤油の小皿がついてきたから、サバヒーはこれで食えってことなのかな。
でも焼きそばがちょっと脂っこかったので、スープも半分くらい飲んで
サッパリしたのでちょうどよかったっす。

どれもおいしかったんだけど、とにかく量が多すぎて2/3くらいでギブアップ。
これに、もう一皿ごはん系メインを頼んで2人でちょうどいいくらいだと思う。
お会計の時の、お店の息子さん?高校生くらいの男の子がめっちゃ感じよかったです。

お腹いっぱいでプラプラ帰る途中、通榮商行っていう食器から家電からバスマットから
とにかく何でも揃う生活雑貨屋さんがあったので、30分くらいあれこれ見てた。
お土産用にインスタントラーメンとか、お菓子とか買ってからホテルへ戻る。

なんかすげー疲れたなと思ってウォーキング用に入れてるアプリ見たら
一日で15キロも歩いてた∑(゚Д゚ll) そりゃ疲れるわ~_:(´ཀ`」 ∠):_