湯本香樹実 『夜の木の下で』

夜の木の下で


話したかったことと、話せなかったこと。はじめての秘密。ゆれ惑う仄かなエロス。つないだ手の先の安堵と信頼。生と死のあわい。読み進めるにつれ、あざやかに呼び覚まされる記憶。静かに語られる物語に深く心を揺さぶられる、極上の傑作小説集。


湯本香樹実 『夜の木の下で』読了。

ラストに収録されている表題作「夜の木の下で」で久々にぼろぼろ泣いてしまった。

世間一般で言う「(歓喜を伴う)感動」とは少し違う。
最近ではもう忘れかけていたような、子供の頃に感じた悲しみとか理不尽な苦しみを、
大人になってから(というか生きてる間中ずっと)なんとかして帳尻合わせようと
するような自分の愚かしさを突き付けられたようでけっこう堪えた。

そういうのを引きずり出して嘲笑しながらフルボッコにしてくるのが舞城なら、
湯本さんは粛々と、しめやかに、気づくとマウント取られてました、みたいな。
どっちも逃げられない・・・・!!


おそらく初期からのファンは誰でもそんな気がするんじゃないかと思うが、
「夜の木の下で」は『春のオルガン』と少し繋がっているところがあるのかもしれないなあ。
おそらく湯本さんは猫というモチーフに何らかの執着があるんだろう。


好き嫌いだけでいうと「マジック・フルート」が一番好きかな。
特に蛇の寓話がとてもよかった。




あとあのー、サドルですよ。サドルがな!
サドルといえば即座に本谷有希子の『嵐のピクニック』が思い出されるんですが、
「私のサドル」もなかなかのサドルでした。
サドルにフェティシズムを感じる方はぜひどうぞ( ’ω’)












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